将来の選択肢としての進学

自分の将来について、初めて考えたのはいつだったでしょうか？

物心つく前に大人から「将来の夢は何か？」と質問されても深く考えていないことが多く、大多数の場合は真面目に将来について考えさせられたのは中学生の進路希望調査ではないでしょうか。教育熱心な家庭に生まれ、小学生の頃に「公立でなく私立の中学校受験をするか」親と共に考えた方もいるかもしれませんが、恐らく少数でしょう。
進路の選択とはいえ、学力や通学距離、学費についてなど自分が希望する通りになったかも含めて、人生は色々あって、人それぞれということに気付く年頃なのかもしれません。

自分のライフイベント

ライフイベントというと、「進学」「就職」「結婚」などの人生の出来事を指します。
人生の3大イベントというと、「マイホーム購入」「子供の教育費」「老後生活資金」という人もいますが本当でしょうか？
また、人生でまとまったお金がかかる5大ライフイベントは何でしょうか？「進学」「結婚」「子供の教育」「住宅購入」「老後生活資金」が思い浮かびますが、これも何が一般的なのかは時代の流れと共に多様化しています。
「結婚」「子どもを持つか」「住宅をどうするか」など選択の幅が増えたことから、自分ごととして考えるライフイベントは何でしょうか？

将来のこととして考えているライフイベント2022調査

出典：（公財）生命保険文化センター「2022年度（令和4年度）生活保障に関する調査」を参考に作成
（https://www.jili.or.jp/research/chousa/8944.html）

年齢別に見てみましょう。

【 18-19歳の年代で考えるライフイベント 】（複数回答）

ライフイベント	男性	女性
就労	58.6％	61.8％
進学	58.6％	52.9％
結婚	51.7％	50.0％
出産・子どもを持つ	34.5％	32.4％
子どもの教育	24.1％	14.7％
住宅購入	20.7％	23.5％
車や家電などの購入	41.4％	20.6％
趣味の充実	51.7％	29.4％
老後生活の充実	20.7％	5.9％

進学・就労・結婚については、男女とも2人に1人は自分ごととして捉えています。成人年齢になり、自分の将来を思い描く年代にしては、ライフイベントとして就労や結婚を考えている割合が少ないように感じます。
子どもを持つこと・子供の教育に関する関心は、もっと低く、自分の子が欲しいと考える10代が少ないことがデータから分かります。
男性は、車や家電などの購入・趣味の充実への関心が高い傾向にあります。

【 30歳代で考えるライフイベント 】（複数回答）

ライフイベント	男性	女性
就労	22.5％	34.7％
進学	23.6％	31.1％
結婚	24.0％	20.5％
出産・子どもを持つ	20.0％	25.7％
子どもの教育	53.8％	59.6％
住宅購入	27.3％	25.1％
車や家電などの購入	33.1％	35.5％
趣味の充実	39.3％	32.0％
老後生活の充実	33.8％	39.6％

18歳頃に2人に1人は自分ごととして捉えていた進学・就労・結婚については、30代では様変わりします。すでに多くが就労している男性は就労への関心が低く、ライフイベントに合わせて離職・転職しやすい女性は就労への関心は34.7％と意外と高いようです。結婚をこれからのライフイベントとして考える人も男性24.0％、女性20.0％と少なくなります。
全体として子供の教育に関する関心が一番高く、男女とも過半数がライフイベントとして意識しています。子どもの有無にかかわらずアンケート調査した結果であり、未就学児から高校生までの子どもを持つ親の多くが子供の教育を大きなライフイベントとして捉えていることから全体としての割合が高いです。
婚姻の有無、子の有無など人生は多様化しているため、関心のあるライフイベントも分散傾向にあります。

【 50歳代で考えるライフイベント 】（複数回答）

ライフイベント	男性	女性
就労	24.0％	22.0％
進学	14.8％	14.8％
結婚	21.2％	20.9％
出産・子どもを持つ	14.0％	10.0％
子どもの教育	14.5％	14.6％
住宅購入	21.8％	19.9％
車や家電などの購入	29.9％	26.4％
趣味の充実	34.4％	32.5％
老後生活の充実	54.2％	65.6％

50代になると、人生も後半のため、ライフイベントへの関心は薄れます。
男女とも2人に1人は老後生活の充実を自分ごととして考えているようです。

将来のこととして考えているライフイベント調査の全体集計まとめ

【 ライフイベント調査の全体集計で最も関心の高かった項目 】

ライフイベント	男性	女性
老後生活の充実	46.3％	52.9％

全体集計では、「老後生活の充実」が最も関心のある項目でした。誰しも訪れるであろう老後生活への関心は、やはり高いことが分かります。

【 ライフイベント調査の全体集計で最も関心の低かった項目 】

ライフイベント	男性	女性
出産・子どもを持つ	12.7％	13.1％

全体集計では、子どもを持つことへの関心があるとの回答は男女とも10人に1人程度という数値です。現役世代が高齢世代を支える福祉のあり方が成立するのかは疑問です。

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