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成年後見制度とは

成年後見制度とは

相続

更新日:2023年06月26日

こんにちは!めりっとくんです。

「高齢の親の財産を将来どのように管理していけばいいのだろう」

「認知症になってしまったらどうしよう」

今回はそんなお客様に向けて「成年後見制度」について紹介していくよ。

成年後見制度とは

  • 成年後見制度とは、認知症などで判断能力が低下、あるいは喪失してしまった人に代わり、後見人に選任された人が財産の管理、契約手続きや生活面でのサポートを行う制度です。
  • 判断能力が低下・喪失することで本人が不当な契約や詐欺等にあいやすくなるリスクを抑え、保護と支援を目的としています。

成年後見制度の種類

成年後見制度には「法定後見制度」と「任意後見制度」の2つの制度があります。

法定後見制度とは
法定後見制度とは、本人の判断能力がすでに低下・喪失してしまった後に、親族等が家庭裁判所に後見人を選任してもらうよう申し立てをし、家庭裁判所が後見人(弁護士・司法書士など)を選ぶことで、法律に基づいて本人を支援する制度です。
任意後見制度とは

任意後見制度とは、十分な判断能力を有する時に、将来、判断能力が不十分な状態になった場合に備えて、あらかじめ本人が、任意後見受任者(任意後見人になる人)、委任する事柄の内容(本人の生活、療養看護および財産管理に関する事務など)を公正証書による契約で定めておきます。本人の判断能力が不十分になった後に、任意後見人が委任された事柄を本人に代わって行う制度です。

●任意後見は、任意後見受任者(任意後見人になる人)と公正証書による任意後見契約を締結する必要があります。

●本人の判断能力が不十分になった後に、家庭裁判所へ任意後見監督人選任の申立てをすると、家庭裁判所によって「任意後見監督人」が選任されます。任意後見監督人は、任意後見人が権利を悪用して本人にとって不利益となる財産管理を行っていないかを監督する役割を担います。

※ 法定後見も任意後見も、実際の財産管理を行うのは「後見開始」の審判が確定した後となるため、後見人が後見開始前に本人に代わって契約行為を行うことはできない点に留意が必要です。

法定後見制度と任意後見制度の比較

法定後見制度では、家庭裁判所が個々の事案に応じて成年後見人等(成年後見人・保佐人・補助人)を選任し、その権限も基本的に民法で定められています。
それに対し、任意後見制度では、本人が任意後見人となる方やその権限を決めることができるという違いがあります。

  法定後見制度 任意後見制度
手続き 家庭裁判所に後見等の申し立てを行う必要あり

1.本人と任意後見受任者(任意後見人になる方)との間で、本人の生活、療養看護および財産管理に関する事務について任意後見人に代理権を与える内容の契約【 任意後見契約 】を締結

2.本人の判断能力が不十分になった後に、家庭裁判所に対し、任意後見監督人の選任の申し立て

申し立てをすることができる人 本人、配偶者、四親等内の親族、検察官、市町村長など(注1) 本人、配偶者、四親等内の親族、任意後見人となる方(注1)
成年後見人等、任意後見人の権限 一定の範囲内で代理したり、本人が締結した契約を取り消すことができる 任意後見契約で定めた範囲内で代理することができるが、本人が締結した契約を取り消すことはできない
後見監督人等の選任

後見監督人、保佐監督人、補助監督人

→必要に応じて家庭裁判所の判断で選任

必ず任意後見監督人を選任

(注1)本人以外の申し立ては、本人の同意が必要となる場合があります。

成年後見制度の特徴

特徴1

 財産の使い込みの防止
本人の判断能力が低下して自身での財産管理が難しくなった際、同居している家族などが本人に代わって財産管理をしていると、その人に勝手に財産を使い込まれてしまうケースも多いです。
成年後見人になった旨を届け出ることでたとえ親族であっても後見人以外の人は財産管理を行えなくなるので使い込みの防止に繋がります。

特徴2

 本人が行った不当な契約の取り消し
後見人には「取消権」が備わっているため、本人に代わって契約の取り消しや代金の返還請求ができます。
≪参考≫ 任意後見人には「取消権」が与えられていません。

特徴3

 成年後見人に親族が選任される可能性が低い
実際、成年後見人には専門家(弁護士や司法書士)などの第三者が選任されるケースが多いです。専門家(弁護士や司法書士)が後見人になった場合は毎月財産額に応じて報酬が発生します。

【 成年後見人等と本人との関係別の申立件数・割合 】

関係 申立件数 割合
親族 7,852件 19.8%
親族以外 31,719件 80.2%

【 親族以外の内訳・上位3位 】

成年後見人の職業 割合
司法書士 37.7%
弁護士 25.9%
社会福祉士 18.1%

上記2表は、最高裁判所事務総局家庭局が公表した「成年後見関係事件の概況-令和3年1月~12月-」を参考に作成

特徴4

 費用がかかる
後見人または後見監督人が選任されると、後見人または後見監督人へ報酬を支払う必要があります。

成年後見関係事件(後見開始、保佐開始、補助開始及び任意後見監督人選任事件等)の裁判申立に至る開始原因は、認知症が最も多く過半数を占めます。成年後見人が決まったあと、被後見人が存命中は支払報酬額が発生します。
裁判所ホームページを検索すると、管理財産額(預金、預貯金および有価証券等の流動資産合計額)により、財産管理事務に支払う費用である報酬額の目安が公表されています。
※ 下記は参考です。

【 後見人を選出した場合に毎月支払う報酬額の目安 】

管理財産額 月額
1000万円以下 2万円
1000万円~5000万円 3~4万円
5000万円超 5~6万円

【 後見監督人を選出した場合に毎月支払う報酬額の目安 】

管理財産額 月額
5000万円以下 1~2万円
5000万円超 2万5000円~3万円

特徴5

基本的に本人が亡くなるまで続くため、途中で利用をやめることができない
利用を始めると、本人の意思能力が回復したと認められる場合等を除き、基本的には途中でやめられません。財産を子や孫の教育資金として使いたいといった本人以外のために使う生前贈与や、資産運用は想定されていません。

身上監護と財産管理

[ 身上監護 ]とは
被後見人の生活や健康の維持、療養等に関する身の回りの手続きのこと
例えば、
住まいの確保、生活環境の整備、介護福祉施設の入退所の契約、病院の受診や入退院の手続きなど
※ 食事の世話や実際の介護などは含まれません。
[ 財産管理 ]とは
被後見人の財産内容を正確に把握して財産目録を作り、財産が保たれるように管理すること
具体的には、預金通帳や保険証書などを保管し、年金や保険金などの収入を受け取り、成年後見人に必要な経費の支払いを行い、それらの帳簿管理を行うことです。

お悩み等ありましたらへきしんへ!

高齢の方にとって財産を適切に管理する方法は遺言や成年後見制度が一般的でしたが、最近では民事信託(家族信託)の活用も注目が集まっています。家族のカタチも多様化していますので、高齢になってからの財産管理ひいては相続についても、ご家族で早めに相談する機会があると安心です。
将来への備えとして、財産管理について検討するのであれば、基本的なことは自分で学び、ポイントを知ることが大事です。

へきしんでは財産管理に関するご相談をお伺いしております。事前に【 来店予約 】していただきますと、ゆっくりご相談いただけます。

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お待ちしております。