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地球の大気中には、熱を吸収する性質を持つ「温室効果ガス」があります。温室効果ガスは、二酸化炭素の他にメタンやフロンガスなどがありますが、多くが二酸化炭素(CO₂)です。
そのため、主にCO₂の排出量を減らし、森林などが吸収するCO₂と同じ量にすることによって、大気中の温室効果ガスを実質ゼロにすることをカーボンニュートラルと言います。
出典:環境省「脱炭素ポータル」
(https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/about/)
カーボンニュートラルへの取り組みは世界中で行われていますが、日本では2020年10月に、当時の総理大臣が2050年までにカーボンニュートラルを達成することを宣言しています。
2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする |
温室効果ガス(主にCO₂)をどうして減らさなければならないのかな?
「地球温暖化」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
産業革命が進み、人間の活動によりたくさんの温室効果ガスが排出された結果、大気中の熱は必要以上に吸収され、工業化以前と比べた地球の平均気温は上がっています。
平均気温の上昇 | 観測期間 | 出典 |
---|---|---|
世界平均地上気温は0.85℃上昇 | 1880年から2012年の132年間 | IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第5次報告書(2014年) |
日本の平均気温は1.24℃上昇 | 1898年から 2019 年の間に 100 年あたり | 気象庁「日本の気候変動2020」 |
名古屋市の平均気温は約 2.2℃上昇 | 1898年から 2019 年の間に 100 年あたり | 名古屋地方気象台・東京管区気象台「愛知県の気候変動」令和4年3月 |
日本全体の平均気温より名古屋市が上回っていることは、地球温暖化に加えて、都市化によるヒートアイランド現象が影響しているようです。
気象庁 過去の気象データ「名古屋 日平均気温の月平均値(℃)」を参考に作成
(https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/monthly_s3.php?prec_no=51&block_no=47636&year=&month=&day=&view=)
これまで | 2℃ 上昇シナリオ | 4℃ 上昇シナリオ | |
---|---|---|---|
猛暑日の変化 | 名古屋市では猛暑日の年間日数が10年あたり約 1.1日増えた | 愛知県では年間 6日程度増加 予測 | 愛知県では年間 34日程度増加 予測 |
雨の降らない日の変化 | 名古屋市では雨の降らない日の年間日数が100年あたり約 7日増えた | - | 愛知県では年間約 9日増加 予測 |
雨の変化 | ◆愛知県では1時間降水量 30mm以上の発生回数に最近10年間で有意な変化は見られない ◆最近10年間(2011-2020年)と過去10年間(1979-1988年)との平均年間発生回数の比較は約 1.2倍増えた |
- | 愛知県では 1時間降水量 30mm以上のバケツをひっくり返したように降る雨の発生が約 1.4倍に増加 予測(注) |
* 「上昇シナリオ」は、愛知県を平均した変化量を示します。
* 猛暑日:日最高気温 35℃以上
* 雨の降らない日:日降水量 1.0mm未満の日
(注)地域単位での予測は不確実性が高いことに注意
「愛知県の気候変動」名古屋地方気象台・東京管区気象台(令和4年3月)地域の観測・予測情報リーフレットを参考に作成
地球温暖化の原因は二酸化炭素やメタンなどの「温室効果ガス」です。
◆温室効果ガスには、「二酸化炭素」や「メタン」といったいくつかの種類がありますが、地球温暖化の1番の原因は二酸化炭素と言われています。二酸化炭素は、自動車や飛行機を動かしたり、電気を作ったり、ゴミを燃やしたりすることで、たくさん発生します。
◆温室効果ガスは地球の周りにたまり、地球を温かく保つ効果がありますが、濃度が高まると、太陽からの熱が宇宙へ戻らず、気温が上昇していきます。
近年、世界中で様々な異常気象が発生しています。このまま地球の平均気温が上昇すると、豪雨や猛暑がさらに深刻化していくことが予想されています。
気候変動に何も対応しない世界では、熱中症などの健康被害や自然災害がさらに頻発し、これまでにないほど私たちの生活を脅かすことになるでしょう。
2015年に国連気候変動枠組条約の第21回締約国会議(COP21)が開かれ、激甚化する気候変動に対応するため、「パリ協定」が採択されました。「パリ協定」では、世界的な平均気温上昇を工業化以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力をすることが決められました。これは、歴史上初めてすべての国が参加する公平な合意となりました。
気温上昇を1.5℃に抑制するためには、2050年ごろにカーボンニュートラルを達成しなければならないことが「IPCC 1.5℃特別報告書」(2018年10月8日公表)で示されています。
そこで、日本をはじめとした120以上の国と地域が「2050年カーボンニュートラル」を目標として掲げ、脱炭素への動きは世界的に加速しています。
2050年カーボンニュートラルに向けて、社会は変化してきています。
【 環境配慮への一例 】 |
・電気自動車の登場 ・住宅における太陽光パネルの設置 ・ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)といった環境に配慮した住宅の普及 ・再生可能エネルギー(再エネ)の使用 |
火力発電では「石炭」や「天然ガス」を燃やす際にCO₂を排出してしまうため、再生可能エネルギー(再エネ)の使用が増加しています。しかし、再エネは自然のエネルギーを利用しているため、季節や天候によって発電量が変動してしまい、安定した発電量の確保が難しいという課題もあります。
そこで、エネルギーの使用量自体を減らす「省エネ」が重要になります。
一人一人の行動で減らせるCO₂はわずかかもしれませんが、世界がカーボンニュートラルを実現するためには、一人一人の意識とライフスタイルを変えていくことが必要不可欠なのです。
【 家庭でできる省エネ 】 エネルギー消費量の多い機器から省エネライフをスタート 省エネメリットや省エネ節約術を調べてみよう!※ |
※ 経済産業省 資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」(外部リンク)では、省エネメリットや省エネ節約術が紹介されています。
物を買うときや、サービスを選ぶとき、その行動がCO₂の排出に繋がっていることを意識しているでしょうか。
例えば車では、ガソリンを使って走るときだけでなく、車を加工するときや、いらなくなった部品を廃棄するときにもCO₂が排出されています。
【 個人でできること 】 ●自分が利用している企業が、カーボンニュートラルへ向けてどんな取り組みをしているかを知り、CO₂排出の少ない製品やサービスを選ぶことが重要です。 ●投資信託などでは、環境にやさしい取り組みを推進している企業を選ぶことで、気候変動対応を頑張る企業の力になることができます。 |
【 例えば 】 ・ペットボトル飲料の購入よりも水筒持参 ・トイレのフタは使わないとき閉める、夏季は温水便座をOFF ・買い替えのタイミングで消費電力の少ない製品を選ぶ ・エコバッグの持参、ストローなどプラスチック製品の使用を控える |